日本ウルグアイ友好親善協会、ニュースレターNo. 22

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2003年1

夏2003年、真っ盛り

2003年が明けて、ウルグアイは今夏です。12月はバケーションのシーズンで、ほとんどの人がバケーションを取るので、海も川も砂浜は人で一杯です。飛行機もアメリカ行きは、満席で予約がとれません。不景気で、商店街は多くの店がクローズしていますし、失業率は20%を超えたと言われていますが、なぜか街には活気があり、多くの人がショッピングしています。特に週末ともなると、ショッピングモールは買い物客で一杯になります。ウルグアイ国内銀行は4つありますが、昨年8月に、国立中央銀行によって、全部一時閉鎖させられています。アルゼンチンの企業に融資した貸付金の多くが不良債権となり、アルゼンチンの人がウルグアイで預金したお金を引き下ろそうとして、昨年7月に、取りつけ騒ぎが起きました。銀行が一時閉鎖されましたので、銀行の前で、「金を返せ」とデモする人達もでました。政府は、不良債権を多く抱えた銀行は倒産させ、自然淘汰させるよう国際金融機関からの圧力を受けています。財務省と中央銀行と各銀行の経営者が話し合いを続けていますが、まだ結論がでていません。救済可能な銀行は合併させて存続させたい意向もあるようです。ヨーロッパ、アメリカ資本の外国銀行はオープンしています。

20021月には、1ドル=14ペソだったレイトは、8月には1ドル=30ペソとなりました。20031月現在、1ドル=27ペソになっています。食料品、電気、ガス、電話代など、10%くらいは上がっていますが、ドルのレイトほどではありません。

 

オーシャンチャレンジ2003

2002129日から、再びオーチャンチャレンジが始りました。昨年のオーシャンチャレンジで、ボートの操縦ライセンスを取得した7名の内5名が、今年のオーシャンチャレンジを手伝ってくれる事になりました。昨年はホゼ オリベラと私が二人で、2台のボートを動かしましたが、今年は5人が加わりましたので、オペレーションが非常に楽になり、3台のボートをフルに動かせるようになりました。ウルグアイ国営のミルク製造会社、コナプロールが社員の海洋教育をやりたいので、協力して欲しいと申し込んできました。6000人の工場従業員と、10000人の契約牧場の牧童達はほとんど、ボートで海に行った事のない人達なので、海を経験させてやりたいということでした。工場の会議室で、2日間ナビゲーションの講義をし、1日ボートの操縦とフィッシングをするというスケジュールで、オーシャンチャレンジの1週間プログラムと別のスケジュールを組んでやることにしました。今年114日のボート操縦ライセンス試験に、日本人の奥田佳世子さんが合格しました。奥田さんは昨年のオーシャンチャレンジにも参加し、海に興味を持って、今年も熱心に通ってきていました。試験は外国人でも誰でも受けられるので、もっと多くの日本人が参加してくれる事を願っています。試験は、海軍で毎月第1火曜日に行っています。

   

 

南米の経済状況

さて南米各国の状況ですが、昨年はアルゼンチンの経済危機が南米全体に影響しました。

長引くアルゼンチンの深刻な経済危機は、この116日に、IMFの融資返済期限の繰り延べ合意によって、債務不履行による決定的な破綻は、まぬがれる事ができました。既に、今年115日に返済予定の、IADB(アメリカ大陸開発銀行)からの融資、68千万ドル(800億円)が支払えず、債務不履行になり、昨年11月に返済すべきであった世界銀行からの融資8500万ドル(970億円)も支払えず、債務不履行になっていましたから、国際的信用を全く失っていました。ウォールストリートジャーナルもファイナンシャルタイムズもアルゼンチン政府のあまりの無策ぶりにあきれかえって、エドアルド ドゥハルデ政権がこの1年間でやった事は、「通貨の切り下げと、変動相場制への移行と、それによってコストが下がった輸出品に対して高率の輸出税をかけたことだけであった」と言っています。「その結果、多くの企業が倒産し、失業率は20%を超え、100万人以上の人々が職を求めて外国に移住し、残った人々の40%は貧困家庭となった」と言っています。

今、1ドル=3.6ペソですが、銀行がオープンしたら、皆ドル買いに走り、1ドルは6ペソまで下がるのではないかとうわさされています。IMFも現政権には何も期待できず、今年427日に行われる大統領選挙の結果できる、次の政権と融資契約の交渉をすると言っています。117日返済予定の10億ドルを含めて、今年8月までに返済期限の来る総額66億ドル(7800億円)の返済計画を再交渉します。その際、昨年返済猶予された、51億ドル(6000億円)についても返済計画を契約します。(アルゼンチン国家の公的債務は総額1146億ドル(137千億円)、国民総生産は、2762億ドル(32兆円)です。) 国家の債務不履行(デフォルト)は国家の破産宣告と同じですから、アルゼンチンの責任のない安易なデフォルト(IMFがお金を貸してくれなかったので、返済できなかったというような)は、国家間の契約を遵守しない無法国家か、契約の価値と義務のわからない未熟な発展途上国とみなされ始めています。

  ブラジルでは11日、労働党のルイス ルラ ダシルバ新大統領の就任式がありました。ブラジル初めての左翼政権の誕生ということで、昨年大統領選挙の前後でブラジル通貨が売られ、一時1ドル=3.7レアルまで下がりましたが、経済閣僚や中央銀行総裁に民間から登用し、前政権の結んだ国際契約、国際条約を尊重し、継承すると発表した事により、金融関係者に安心感が生まれ、現在1ドル=3.3レアルに値を戻しています。ルラ新大統領は昨年アメリカを訪問し、ブッシュ大統領と会談し、アメリカからの経済支援を取りつけています。就任式では、貧困対策を重要視し、「飢えをゼロにする」方針を宣言しました。

就任式には、キューバのカストロ議長と、ベネズエラのチャベス大統領が出席しました。

  エクアドルでは、115日ルシオ グティエレス新大統領の就任式が行われました。

就任式では、貧困問題の解決と、国家予算の40%になる対外債務支払いに対して、国際金融機関の理解を求めるスピーチを行いました。就任式には、ブラジルのルーラ大統領、ベネズエラのチャベス大統領、キューバのカストロ議長が出席しました。 

ベネズエラの政治危機は、昨年122日から続いているゼネストで、石油生産が大きく落ち込み、日量200万バーレルの減産となり、世界の原油価格高騰の原因となっています。1バーレル=34ドルまで値上がりしています。ゼネストによって、外資系食品会社の全てが営業停止しているので、飲料水が不足し、117日政府軍がコカコーラの関連会社の倉庫に押し入り、コカコーラなど清涼飲料水を押収しました。又、14日には政府軍は、反大統領派のカラカス市長のもとにある市警察本部を制圧し、市警の武装解除を行いました。大統領は軍の力でゼネストを押さえこもうとしていますが、まだゼネストは続いています。

発端は200112月に大統領特権で作った、石油事業法(増税)、土地法(農地接収)、漁業法(沿岸土地接収)に反対する経団連、労働組合、農民によるストライキが過去1年間続いてきました。失敗しましたが、20024月にはクーデターが起きました。今回のゼネストでは、大統領の辞任を要求しています。

  南米全体に言えることですが、貧富の差が大きいので、貧困層の人々に常に政府に対する不満と批判がわだかまっています。それで、企業に対する増税や、大地主の土地を接収し、先住民や貧困層の人々に与えると言う政策は庶民受けのするものですが、それで被害を受ける人々の大きな反発を買います。ベネズエラの政治的、社会的混乱は、この問題が根底にあります。思想的問題より、利害関係の問題ですから、この法案を取り下げない限り、軍の力で制圧しようとしても難しいと思います。今、南米各国々で、労働党、社会党など左翼政党が大きく伸びています。貧困問題の解決を公約して貧困層を味方につけています。

ウルグアイでも国会で野党の左翼拡大戦線(フレンテ アンプリオ)が大きく伸びています。全人口の半分近くが住んでいる首都モンテビデオでは、左翼拡大戦線が市長と市議会の過半数を占める与党となっています。