日本ウルグアイ友好親善協会、ニュースレターNo. 16

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2002年1

アルゼンチン経済危機

ウルグアイはアルゼンチン経済危機の影響を受けて、経済環境は厳しくなっています。特に、観光客への影響 は大きく、プンタデルエステへの観光客は例年の40%減と言われています。それで、ホテル、フェリー、バス会社、 タクシーへの影響が大きく、1月24日、一日バス、タクシーはストライキでストップしました。賃上げと料金値上げ を要求しています。 ウルグアイの金融関係への影響はあまり大きくなく、以前からウルグアイは変動相場制でしたので、ドルをペソに 交換する換算率は1ドル=13.5ペソだったのが、現在13.9ペソとなっています。アルゼンチンペソをウルグアイ ペソに交換する換算率は、かってはドルと同じ位でしたが、ペソ引き下げ以降大きく下がって、現在は1アルゼ ンチンペソ=5ウルグアイペソです。ウルグアイでは、すでにドルの価値はアルゼンチンペソの2.8倍になってい ます。

アルゼンチンでは1月6日国会上院で、1ドル=1ペソの固定相場制を廃棄し、公定外国為替相場(貿易の決 済に使う)を1ドル=1.4ペソに引き下げる法案を可決し、観光客向けの市中のドル、ペソの換金には変動相場制 を併用する経済政策を可決しました。 ドルをペソに換える交換率は、18日には1ドル=約2.1ペソになりましたが、23日現在1ドル=1.85ペソになっ ています。現在は固定相場と変動相場の差があまり大きくならないように、国立中央銀行が介入して、ペソが安く ならないように操作しています。長期的にはペソ相場は、6月までには1ドル=2.60ペソまで下がることが予測さ れています。固定相場制と変動相場制の併用は一時的なもので、3〜5ヶ月で完全な変動相場制に移行すると 政府は発表しています。

ヤフーニュースにアルゼンチン経済危機特集があり、経過が詳しく書かれています。興味のある方はそちらをお 読みください。数日前までは、日本経済新聞のホームページに特集記事がありましたが、残念ながら今は特集 が終わりました。

結論として、アルゼンチン経済危機の根本的な原因は、「1990年代のメネム政権の時代に多くの国有企業を民 営化し売却した。その収入で財政支出の均衡を計るべきであった。しかし、放漫財政を続け、財政赤字を出し続 けた。それが今回の経済危機の温床となった。」とIMF(国際通貨基金)、アメリカ合衆国政府は見ています。そ れで、国際的経済支援を得るには「国民と政府が一体となって、財政赤字の削減、景気回復、支払いを一時停 止した公的債務の支払い処理方法の明示など、多少の犠牲と痛みを伴う経済政策を示し、それを実行すること が必要。」とIMFケーラー専務理事、ブッシュ米大統領は言っています。

しかし、ドゥアルデ大統領は、現実には公務員の給与の上限規定撤廃(今までは上限3000ペソ/月)、銀行預金 を月5000ドルまで引き出せる(今までは月1000ドルまで、ペソで引き出し可能)などの大衆迎合政策を打ち出し ているので、どこまで国際的支援が受けられるか疑問視されています。 アルゼンチンの公的債務は1320億ドル(17兆7千億円)で、その60%、792億ドル(10兆6千億円)が対外債務 です。デラルア前政権は、IMFからの経済支援、融資の条件として提示された、国の予算の歳出削減を最優先 課題として取り組みました。公務員給与削減、年金支給削減など緊縮予算を組み、国民に負担を求めましたが、 国民の不満は暴動となり、昨年末、デラルア大統領は辞任に追い込まれました。1月25日にも全国的デモがあ り、1万人が国会議事堂前でデモ行進しました。デモの後残った100近くの人々が警官隊ともみ合いになったと いうことです。

アルゼンチンのブエノスアイレスに駐在している日本人は、昼間でも市内を女性が一人で歩くのは危険と感じる ような雰囲気があると言っていました。多くの日本人駐在員は日本に一時帰国を始めているということです。日本 の外務省ホームページにある、海外危険情報によればアルゼンチンは危険度1で、注意を喚起すると言う程度 です。昨年の12月に起きた暴動について書いてありました。1月の状況はデモは多くあっても、暴動まで発展し ていないので、そんなに危険はないと判断しているようです。 しかし、実情はもっと危険な状況にあるようです。失業者が多く街にあふれ、外国人には違った目つきで見る人 が多くなり、身の危険を感じるので、あまり外に一人で出ないようにしているとある駐在員の奥さんが言っていまし た。 日本の東京水産大学の練習船が1月12日モンテビデオ港に入港しました。本来はブエノスアイレス港に寄港の 予定でしたが、アルゼンチンが政情不安定につき、急遽モンテビデオ港に変更したということです。 東京水産大学の練習船「海鷹丸」は、2001年11月26日東京港を出発し、全行程4ヶ月、28000マイルの航海 の途中、補給と見学のため、モンテビデオ港に寄港しました。60人の乗組員の内、学生が31人で、その内17 人が女子学生、14人が男子学生です。学生達はこの遠洋航海で、まぐろの延縄漁業実習と海洋学に関する調 査研究をすることになっています。この船には、8千万ドルの最新の電子機器が装備されていて、漁場の調査、 海洋の調査が詳しく出来るようになっています。 1月17日にモンテビデオ港を出港し、ブラジルのレシフェ港に向かいました。レシフェ港を出港すると、ブラジル の海域で1週間のまぐろの延縄漁を実習する予定ということです。

 

海洋教育プロジェクト

 

さて、ウルグアイの青年達にボートでフィッシングをしながら、海洋教育をするプロジェクトは、ラディソン ビクトリ ア プラザ ホテルのボート2台を借りて行っています.。昨年12月1日から始めた海洋教育に9人の青年が参 加し、その内3人が海軍の試験に合格して、ボートキャップテンのライセンスを取りました。この3人の青年達が 助手として、今手伝ってくれています。海洋教育の講義は、ホテルの従業員で、ウルグアイの海軍大学を卒業し、 大きな船のキャップテン ライセンスを持っている、ホゼ オリベラ氏が担当してくれています。教科書は、アメリカ 合衆国で行った、海洋教育「オーシャン チャレンジ」のキャップテン マニュアル(ナビゲーション、シーマンシッ プ、海の交通ルール、ナビゲーションエイド、天候、船のエンジン、船の無線、レーダー、GPS、フィッシュ ファイ ンダーなどの電子機器の使い方や理論を解説、説明しています)をホゼ オリベラ氏がスペイン語に翻訳して、 本を作りました。(A-4版で、170ページの本格的なマニュアル本です。)

ウルグアイの青年達に海洋教育を行うため、ノンプロフィット オーガニゼーション(NPO)をウルグアイ法人として 作りました。名前は「ラ アソシアシオン エル デサフィオ デル オーシャノ」(省略して通称アソシアシオン デ サフィオ オーシャニコ)としました。英語で言い換えると、オーシャン チャレンジ アソシエーションとなります。 意味は、海に行って、自分の限界に挑戦する海洋教育の協会ということです。海洋教育のプロジェクト名は、エ ル プログラマ デル デサフィオ オーシャニコです。英語で言い換えるとオーシャン チャレンジ プログラム です。意味は海に行って挑戦する海洋教育課程です。

プログラムの内容は、7日間の教育課程で、第1日月曜日から第5日金曜日までが、夜の講義(18時〜20時)、 第6日土曜日と第7日日曜日がボートでの実施教育とフィッシング(9時〜16時)です。 第1日ボートにおける安全手順 第2日船舶専門用語 第3日チャート(海図)の読み方 第4日海の交通規則 第5日航海上の海上標識 第6日ナビゲーション(航海術)、錨の上げ降ろし、魚釣り 第7日船の操船、GPSの使い方

フィッシングは主に「コルビーナ」(コルビーナ ブランカ)が釣れます。白いコルビーナと言われていますが、薄 いピンク色をした、銀色に輝く魚体です。船のライブフィッシュタンクに入れておくと、しばらくして金色に輝くよう になります。非常にきれいな魚です。40センチ以下のサイズは自主的にレリースするようにしています。大きいも のは、60センチから70センチにもなります。釣り針は2本付け、餌は「ぼら」の切り身を使っています。「ぼら」は 地元の漁師が網で取ったものを買ってきます。 プンタデルエステの海側の砂浜では、コルビーナ ネグロ(黒いコルビーナ)と言われる、大きな魚が釣れます。 これは、大きいものは150センチ、30キログラムもあります。モンテビデオでも、漁師が網で獲ってきたものが魚 屋で売られていますが、我々のボートでは、この魚はまだ釣れていません。

    

1月7日から始まったプログラムには、すでに、3回で57人が参加しました。その中で、今10人がアドバンスの プログラムに参加してきています。7日間のオーシャン チャレンジは海のナビゲーションの基本を教えるもので す。アドバンスのコースは、海軍が発行している、ボートの運転ライセンスの試験を受けるために、海の交通規則 を詳細に教え、チャートを使ってのナビゲーションの実施教育をする、中級講座です。毎週火曜日と木曜日の 18時〜20時まで希望者に不定期に行っています。海軍の試験は毎月第2火曜日に試験を行っています。今勉 強している10人は2月12日の試験を受けます。

    

 

ウルグアイ唯一の日本料理店が、モンテビデオのプラザ インディペンデンシアにある、ラディソン ビクトリア プ ラザ ホテルの横にあります。レストランテ トゥキョウです。80ペソ(約800円)のバイキング スタイルのレストラン で、80種類の料理が並んでいます。日本料理、中国料理、ウルグアイ料理のミックスですが、最近すしカウンタ ーが出来て、日本の板前さんが「すし」を握っています。