日本ウルグアイ友好親善協会、ニュースレターNo. 14

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2001年08

ウルグアイを取り巻く経済状況

杉山孝

8月20日読売新聞記事「中南米首脳会議、アルゼンチンの経済危機回避、IMF支援要請」によると、「8月17日〜18日、チリのサンチャゴで南米、中米、カリブ海の19カ国の首脳会議が開かれた。

中心的な議題はアルゼンチンの経済問題。アルゼンチンの経済危機を回避するため、国際社会に協力を要請する宣言を採択した。国際通貨基金(IMF)によるアルゼンチン支援を求め、議長国チリのラゴス大統領が中南米首脳会議を代表して、米国のブッシュ大統領にアルゼンチン経済危機救済への協力を要請した。長引くアルゼンチン金融不安の影響は周辺諸国に広がっており、アルゼンチンの債務不履行(デフォルト)懸念による、通貨切り下げ観測が飛び火し、チリ、ブラジルなどで対ドルレートが下がっている。IMFは8月上旬、アルゼンチンへの支援融資12億ドルを前倒しして実施する方針を示したが、アルゼンチン側は更に、60〜90億ドルの追加融資を求めている。」と述べられていた。

8月21日の日本経済新聞によれば、「先進7カ国財務相、アルゼンチンの経済改革を支持。米財務省は、金融危機に陥っているアルゼンチンの経済改革を支持する先進7カ国の財務相の共同声明を発表し、国際通貨基金(IMF)のアルゼンチンに対する追加支援融資の早期合意を後押ししていく姿勢を強調した。」

8月4日の同紙によれば「国際通貨基金(IMF)のケーラー専務理事は『アルゼンチンは財政赤字をゼロにする案などを掲げており、マクロ経済環境は安定に向かっている。』とする声明を発表した。IMFはアルゼンチンに対して総額134億ドルの融資枠を設定しており、12億ドルの前倒し融資はその一部となる。IMFがここに来て新興市場国への支援を矢継ぎ早に決定したのは、1997年のアジア通貨危機の際には、後手に回り混乱が拡大したことから、危機を未然に回避しようとの狙いがある。最大の出資者である米政府の危機対応の枠組みが固まりつつあるのも今回の支援決定の背景となっている。

アルゼンチンはカバジョ経済財政相が主導する経済改革を実行に移しつつあり、米政府も支援する意向を示している。

8月17日サンパウロ新聞によれば、「アルゼンチンは、カントリーリスクが8月1日に1688に達し、ナイジェリアの1896に続いて、世界で2番目にリスクの高い国となった。」

「アルゼンチンの中央銀行の資料によると、7月2日に289億ドルあった外貨準備は8月9日には171.8億ドルまで下がった。」

「アルゼンチンの対外債務は、1472億ドル(17兆6640億円)で、ブラジルのABNアムロ銀行の調査によると、対外債務の元金や利子支払いなどの金融サービスの輸出に占める比率は、アルゼンチンが80%、ブラジルが69%、チリが31%、メキシコが15%となっている。」

アルゼンチンのGNPは1999年に2779億ドルで、一人あたりGNPは7,600ドル。(世界銀行)経済成長率は1999年、2000年共にマイナス成長であった。2000年の貿易額は、輸出264億ドル、輸入252億ドルであった。

(外務省ホームページwww.mofa.go.jp/mofaj/area/argentine/data.html )

最近新しく代わった経済財政相のドミンゴ カバジョは1991年メネム前政権において経済財政相として経済改革を実行し大成功を収めた実績の持ち主。外貨取引の自由化、通貨供給量の制限、財政均衡化を骨子とした兌換法を制定し、民営化、各種規制緩和、輸出促進を進め、構造改革を実現した。その結果、投資が増加し、1991年〜1994年まで年平均8.9%の高い経済成長率を記録した。

(アルゼンチン大使館ホームページwww.embargentina.or.jp/keizai/keizai3.html ) 

さて、ウルグアイについて、勿論景気はアルゼンチンの影響を受け、低迷を続けています。今年は、日本とウルグアイが外交関係を結んだ80周年にあたります。ホルへ・バジェ、ウルグアイ大統領が4月に日本を訪問されました。日本の外務省のホームページにその記録がありましたので、添付します。

民間レベルでも何か80周年の記念になるような催し物が出来ないかなと思っています。日本の長崎で行われる、ワールドカップ・フィッシング・トーナメントにモンテビデオの釣り道具店のオーナー3人が参加します。10月17日18日です。小さな交流ですが、大事にしたいと思っています。私も参加しますので、後程報告します。

今年の夏休み12月、1月に、ウルグアイの青少年を海釣りに連れて行き、海洋教育訓練をしたいとも思っています。ウルグアイへの小さな奉仕活動ですが、小さな所から強い、大きな連帯が生まれるかもしれません。小さな出会いを大切にと心がけています。

 

バジェ・ウルグァイ大統領の訪日(概要と評価)

平成13年 4月15日〜19日、バジェ・ウルグァイ大統領が、公式実務訪問賓客として我が国を訪問した。その概要・評価は次のとおり。

1.概 要

(1)首脳会談・総理主催夕食会(17日)

森総理及びバジェ大統領との間で、外交関係樹立80周年を契機とした両国間の交流の一層の促進と、安保理改革、WTO新ラウンド、地球温暖化問題等国際場裡における両国の協力の必要性が確認。

森総理より、ウルグァイにおける教育分野を中心としたIT普及を支えるための「ITセン

ター設置計画」に対し協力を表明、調査団の派遣を約束。ウルグァイにおけるNGO活動支援のため、JICAを通じた協力の可能性を表明。人物交流促進のため、内閣府による国際青年育成交流事業の実施等青年招聘計画の実施を表明。更に、将来の日本研究の拠点として、ウルグァイ共和国大学における日本語講座の設置について説明。

バジェ大統領より、ウルグァイ産牛肉の早期輸入再開の申し入れがあり、これに対し森総理より右については、科学的・技術的立場から検討している旨を伝え、問題がなければ出来る限り早期の我が方専門家の派遣を表明。

 

(2)日本の企業関係者との懇談、経済セミナーの開催(16日)

経済5団体主催歓迎昼食会の場での日本・ウルグァイ企業関係者間の歓談。ウルグァイの経済の現状と展望に関する経済投資セミナーの実施。

(3)充実した日程

ウルグァイ・タンゴ・オーケストラの日本公演観覧、NHK訪問、JICA総裁との意見交換等。また、今回広島を訪問し、広島県及び広島市の平和に向けた取り組みに対する理解を深めた。

 

2.訪日の意義と評価

(1)日本・ウルグァイ外交樹立80周年を契機とした交流の活性化

 首脳レベルにて、モンテヴィデオ市における日本庭園建設をはじめ、各種経済・文化行事の実施による両国国民の理解と関心の促進、日本、ウルグァイ双方の招聘計画による青年交流の実現等の方策について活発な意見交換がなされた。

 

(2)ウルグァイへのIT分野における我が国協力の具体化

 ウルグァイ側の最優先政策事項の一つである教育分野におけるIT普及に関し、これを促進するためのセンター設置計画について、計画具体化のための調査団派遣を表明、具体的協力への道筋をつけた。

 

(3)安保理改革、WTO新ラウンド、地球温暖化問題等、国際場裡における両国の協力・協調関係の確認。

安保理改革についての密な協議の継続、本年11月のWTO新ラウンド立ち上げへの支持表明、米国、中国の京都議定書への取組みの促進等において、両国が協調することで一致した。

 

(4)我が国経済界との交流、経済セミナーの開催による、ウルグァイ経済に対する理解と関心の深まり。

 セミナーには日本企業関係者等120名が出席。セミナーを通じ、自由・開放経済体制を誇り、かつ堅実な経済運営を行っているウルグァイ経済に対する理解を深めると共に、植林、港湾整備等の面での我が国よりの投資の可能性について日本側の関心を高めることが出来た。

 

ウルグアイにある日本大使館のコメントを添付します。

バジェ・ウルグアイ大統領訪日の意義 平成13年2月7日

1.中南米でも安定した民主主義体制・自由な経済体制を誇る国

 ウルグアイは、保守系2大政党を基盤とするラテンアメリカ有数の安定した民主主義国家として発展。経済では、自由貿易体制を堅持し、南米でも開かれた経済体制を誇り、金融のみならず多国籍企業の中南米統括本部機能、製品や部品の供給センター誘致等により、南米、特に南米共同市場(メルコスール)の国際サービス・センターとなることを目指している。また前サンギネッティ政権時代(95年〜99年)に経済の安定と財政健全化政策を押し進め、安定的経済成長とインフレ抑制を達成、ウルグアイ経済に対する高い国際的信用を獲得しており、現政権も前政権の財政健全化路線を引継ぎ堅実な経済運営を行っている。我が国を含むアジアと中南米との関係強化の必要性が益々高まる中で、南米共同市場の玄関国として、安定した政治状況、経済自由開放体制を誇るウルグアイとの対話及び交流強化を大統領訪日を契機に官民両レベルで行っていくことは大きな意義がある。

 

2.中南米のオピニオンリーダーとして活躍する国

 外交面では、近隣諸国との関係強化のみならず、国連並びに米州機構、リオグループ等の地域国際機構を通じた外交活動を重視し、中南米のオピニオンリーダーとして活躍している。1986年のガット・ウルグアイラウンドの発足に貢献、国連の平和維持活動にも積極的に貢献する等独自の外交を展開しており、我が国との間では国際場裡における重要なパートナーとして協力・協調関係が深まっている。特に98年の第53回国連総会議長として選出されたオペルティ外相は、安保理改革に関し我が国とも協調しつつ、ワーキンググループにおける対立的雰囲気を解消し、同改革推進のため努力した。

 このように中南米のオピニオンリーダーとして国連、地域機関重視の平和的外交を展開している同国との間で、安保理改革を含め国際社会における重要問題における協力関係を強化・確認しておく意義は高い。

 

3.日本・ウルグアイ外交樹立80周年

 我が国とウルグアイは伝統的に友好関係にあり、同国は国際機関関係での各種選挙においても我が方候補に好意的対応をしている(最近の例としては、99年のユネスコ事務局長選挙において我が方候補を支持)。また、近年は経済関係を軸に我が国を含む対アジア接近外交を積極的に展開し、我が国に対しては主力農業輸出品の市場アクセス、投資促進等の面で期待が高まっている。特に本年は、日本とウルグアイとの間で外交樹立80周年を迎え、日本及びウルグアイ双方で各種経済・文化交流行事が開催予定であり、両国国民の関心並びに相互理解が益々深まることが期待されている。かかる中、バジェ大統領を日本に迎え、我が国官民了両レベルで交流を促進させ、今後の両国関係の一層の発展につなげていくことは大きな意味がある。